iDeCo年末調整の書き方を解説|証明書の記入から提出まで

- iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除の対象になる。
- 会社員・公務員は「給与所得者の保険料控除申告書」に記入して勤務先へ提出する。
- 記入する金額は「小規模企業共済等掛金払込証明書」の合計金額をそのまま書く。
- 証明書は毎年10月以降に国民年金基金連合会から発送される。
- 個人事業主やフリーランスは年末調整ではなく確定申告で控除を受ける。
iDeCo 年末調整 書き方の結論

会社員・公務員がiDeCo(個人払込)の控除を受ける手順は、申告書に金額を書いて証明書を添付し勤務先へ出す、この3ステップで完了します。
所要時間はだいたい5分。難易度は低めです。電卓すらほぼ要りません。
用意するのは2つだけ。勤務先から配られる「給与所得者の保険料控除申告書」と、自宅に届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」です。
iDeCoの掛金が所得控除の対象になるのは、国税庁が定める「小規模企業共済等掛金控除」に該当するためです。
年末調整・確定申告のポイント
iDeCoの所得控除は、給与所得者なら年末調整、それ以外は確定申告で受けるのが基本です。

ここでつまずく人が意外と多い。自分がどちらに当てはまるか、まず確認しておくと迷いません。
| 立場 | 控除を受ける方法 | 使う書類 |
|---|---|---|
| 会社員・公務員(個人払込) | 年末調整 | 給与所得者の保険料控除申告書 |
| 会社員(事業主払込・給与天引き) | 手続き不要(会社が処理) | なし |
| 個人事業主・フリーランス | 確定申告 | 確定申告書 |
もうひとつ大事な前提があります。iDeCoの納付方法が「個人払込」か「事業主払込」かで、年末調整が必要かどうかが変わります。
給与から天引きされる事業主払込なら、会社がすでに社会保険料と同じように処理しているので、あなたの申告は不要です。
年末調整(会社員・公務員)
会社員・公務員の年末調整は、配られた保険料控除申告書にiDeCoの掛金を書き、証明書を添えて期限までに勤務先へ返す、それだけで完結します。
全体の流れを先に頭に入れておきましょう。
- 10月以降に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が自宅に届く。
- 勤務先から「給与所得者の保険料控除申告書」を受け取る。
- 申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄に証明書の合計金額を書く。
- 証明書を添付して勤務先の指定期限までに提出する。
私自身もiDeCoを運用していて毎年これをやっていますが、慣れれば本当に数分です。
「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届きます

iDeCoの控除証明書は、国民年金基金連合会が発行する「小規模企業共済等掛金払込証明書」で、毎年10月以降に郵送で届きます。
この1枚が、年末調整で添付する大事な原本です。なくさないでください。
いつ届くかは、その年に初めて掛金を払った月によって変わります。1月から掛けている人なら、だいたい10月中旬から下旬に届くケースが多いです。
届いたら、記載されている「合計金額」をまず確認します。この金額が年末調整に書く数字になります。
「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入
記入は「小規模企業共済等掛金控除」の欄に、証明書の合計金額をそのまま書き写すだけです。

申告書には保険料控除がいくつも並んでいます。生命保険料や地震保険料の欄に書かないよう注意してください。iDeCoは右下あたりの「小規模企業共済等掛金控除」です。
- 申告書の中の「小規模企業共済等掛金控除」の枠を探す。
- 「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の行に金額を記入する。
- 記入する金額は証明書の合計金額(年末までの払込予定を含む額)にする。
- 同じ欄の合計額にも同じ金額を書く。
よくある間違いが、毎月の掛金額をそのまま書いてしまうこと。書くのは年間の合計です。
証明書に「合計金額」として印字されているので、迷ったらその数字を信じてください。9月までの実績と、10月以降年末までの払込予定が合算された額になっています。
勤務先に提出
記入した申告書と証明書の原本をセットにして、勤務先が指定する期限までに提出すれば年末調整は完了です。
提出期限は会社ごとに違います。私が支援してきた会社では、11月下旬から12月上旬に締切を設ける例が多かったです。ただしこれは法律で決まった日ではなく、各社の事務スケジュールによります。
うまくいかないとき、というか間に合わないとき。証明書が手元になくても焦らないでください。後述するように確定申告で取り戻せます。
添付するのは証明書の「原本」です。コピーで済むかどうかは会社の指定に従ってください。
確定申告

年末調整に間に合わなかった会社員や、自営業・フリーランスの人は、確定申告でiDeCoの控除を受けます。
確定申告と聞くと身構える人がいますが、iDeCoの控除だけなら入力する箇所はごくわずかです。
控除証明書が間に合わなかった会社員も、この方法で問題なく取り戻せます。私は相談現場で「年末調整で書き忘れた」という人に、毎年この手順を案内しています。
「確定申告書」に必要事項を記入
確定申告書では「小規模企業共済等掛金控除」の欄に、証明書の合計金額を記入します。

書く場所は、所得から差し引かれる金額(所得控除)のエリアです。社会保険料控除や生命保険料控除と並んでいます。
- 確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」の欄を開く。
- 証明書の合計金額をそのまま記入する。
- 控除証明書を添付するか、電子申告なら記載内容を入力する。
考え方は年末調整と同じです。金額の出どころが同じ証明書なので、書き写す数字も変わりません。
税務署に提出
記入した確定申告書は、控除証明書を添えて税務署へ提出すれば手続きが完了します。
提出方法は、税務署へ持参・郵送・e-Taxの3つ。e-Taxなら証明書の現物添付を省ける場合があります。
会社員が払いすぎた税金を取り戻す還付申告なら、確定申告の期間を過ぎても、その年の翌年から5年以内なら提出できます。落ち着いて手続きすれば間に合います。
小規模企業共済等掛金払込証明書の再発行

証明書をなくした場合は、加入しているiDeCoの運営管理機関や国民年金基金連合会へ連絡すれば再発行できます。
再発行には数日から数週間かかることがあります。年末調整の締切が迫っているなら、勤務先に事情を伝えて確定申告に切り替える判断も現実的です。
私の相談でも「捨ててしまった」という人は毎年います。慌てず再発行を依頼すれば取り戻せるので、心配いりません。
マイナポータルによる小規模企業共済等掛金払込証明書の 電子データ取得について
マイナポータルと連携すれば、紙の証明書を待たずに電子データで控除情報を取得し、e-Taxの確定申告に取り込めます。

紙を探す手間が消えるので、私はe-Taxを使う人にはこの連携を勧めています。
ただし会社の年末調整が紙運用の場合、電子データだけでは受け付けてもらえないことがあります。勤務先の対応状況を先に確認してください。
電子交付に対応しているかどうかは、加入先の運営管理機関ごとに異なります。マイナポータル連携の可否は、自分のiDeCo運営機関の案内で確認するのが確実です。
よくある質問
相談現場で実際によく聞かれる質問を、そのまま並べます。
よくある質問
最後にひとこと。iDeCoの節税は、書類を出さないと一円も戻りません。証明書が届いたら、その日のうちに申告書へ書き写してしまうのが、私のいちばんのおすすめです。
