iDeCo 60歳以降の受取方法別に税金をシミュレーションで徹底比較

- iDeCoは原則60歳以降に受け取れ、受取方法は一時金・年金・併用の3種類です。
- 一時金で受け取ると退職所得扱いになり、退職所得控除を引いた後の額を2分の1にして課税されます。
- 年金で受け取ると雑所得扱いになり、公的年金等控除の対象になります。
- 年金は公的年金等の収入が65歳未満で60万円、65歳以上で110万円までなら税金がかかりません。
- 60歳から受け取るには、最初の掛金拠出から10年経過している必要があります。
iDeCo 60歳以降 受取 税金の結論

iDeCoの受け取りにかかる税金は、一時金なら退職所得、年金なら雑所得として課税されます。
私が相談を受けていて一番多い誤解が、「iDeCoの受け取りは非課税」という思い込みです。残念ながら違います。
ただし、どちらの受け取り方にも大きな控除が用意されています。一時金には退職所得控除、年金には公的年金等控除。これらをうまく使えるかどうかで、手元に残る金額がはっきり変わります。
前提として、iDeCoは原則60歳まで引き出せず、60歳から受け取るには最初の掛金拠出から10年が経過している必要があります。これはSMBCの解説でも明記されています。
パターン別に徹底比較!受け取り方で変わる退職金とiDeCoの税金額
受け取り方は一時金・年金・併用の3つで、それぞれ使える控除と所得区分が異なります。

まず全体像を表で整理します。ここを押さえるだけで、自分がどの方法を検討すべきかの当たりがつきます。
| 受け取り方 | 所得区分 | 使える控除 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 一時金 | 退職所得 | 退職所得控除 | 控除後の金額を2分の1にして課税される |
| 年金 | 雑所得 | 公的年金等控除 | 5年以上20年以下の期間で分割して受け取る |
| 併用 | 退職所得+雑所得 | 退職所得控除+公的年金等控除 | 一部を一時金、残りを年金で受け取る |
正直に言うと、私は「とりあえず一時金が得」とは言いません。理由は会社の退職金です。
退職所得控除は、iDeCoと会社の退職金で共有する形になります。同じ年に両方を一時金で受け取ると、控除を使い切ってしまい、思ったより税金が出るケースがあるんです。
逆に、退職金が少ない、あるいは無い人なら、一時金のほうが有利になりやすい。退職所得は控除後を2分の1にして課税するため、税負担がかなり軽くなるからです。
退職金やiDeCo等の受け取り時にかかる税金とは?
一時金は退職所得控除を引いた後の額を2分の1にして課税、年金は公的年金等控除を引いた残りに課税されます。
言葉だけだと分かりにくいので、それぞれの仕組みを順番に見ていきます。
一時金の場合、税制上は「退職所得」として扱われます。退職所得控除という大きな枠を差し引き、さらに残った金額を半分にしてから税率をかける。この「2分の1課税」が、一時金が税制で優遇されている理由です。
年金の場合は「雑所得」になります。受け取る年金から公的年金等控除を差し引いた金額が、課税の対象です。iDeCoの年金は5年以上20年以下の期間で分けて受け取ります。
ここで知っておきたい数字があります。公的年金等の収入の合計が、65歳未満なら60万円まで、65歳以上なら110万円までは税金がかかりません。楽天証券とりそな銀行の解説で確認できます。
受取方法別シミュレーション

同じ資産でも、退職金の有無や公的年金の額によって、どの受け取り方が有利かは変わります。
私が相談現場でよく見る3つのタイプで考え方を整理しました。具体的な税額は人によって違うので、ここでは「どう判断するか」の道筋を示します。
| タイプ | 状況 | 検討したい受け取り方 |
|---|---|---|
| 退職金が少ない・無い人 | 会社の退職金がほぼ無い | 一時金。退職所得控除と2分の1課税を活かしやすい |
| 退職金が多い人 | 同じ年に多額の退職金を受け取る | 年金、または受け取る年をずらした併用を検討 |
| 公的年金が少ない人 | 公的年金の見込みが少なめ | 年金。公的年金等控除の枠に余裕がある |
実際に調べて驚いたのは、退職金とiDeCoの一時金を同じ年に受け取ると、退職所得控除が一度しか使えず、控除がパンクしやすいことです。
私が相談者に必ず聞くのは「会社の退職金はいくら出るか」と「公的年金の見込み額」。この2つが分からないと、どの受け取り方が得かは判断できません。
逆に言えば、ねんきん定期便と会社の退職金規程さえ確認すれば、受け取り方の方針はかなり絞れます。受け取りの数年前から準備しておくと安心です。
おわりに
iDeCoの受け取りで損をしないコツは、退職金と公的年金を含めた「全体」で受け取り方を決めることです。

一時金が有利か、年金が有利かは、その人の退職金と公的年金次第。万人に共通の正解はありません。
私自身もiDeCoを運用していますが、受け取りの段になったら、まず会社の退職金とねんきん定期便を並べて、控除を使い切れるかを計算するつもりです。
なお、受給手続きは受付開始日以降、75歳の誕生日の2日前までに行う案内があります。受け取り開始の時期そのものも、税金を左右する要素になります。
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私はファイナンシャルプランナーとして、中小企業の従業員向けに確定拠出年金の導入支援を8年続けてきました。記事では、自分で試して確かめたことだけを書いています。
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